コードレビューで指摘していただいた箇所をまとめて記載したいと思います。
- ポリモーフィズムのための基底クラスには、仮想デストラクタを宣言すること。なぜならデストラクタが virtual でない場合、親クラスの型のポインタを delete した際には親クラスのデストラクタしか呼ばれないため。
// ~Parent is not virtual. Parent* parent = new Child(); ... delete parent; // this always calls ~Parent(); ~Child() is never called.
- デフォルトコンストラクタの引数はvoidと明示して記載すべき
class A { public: A (void) {} }
単体テストを書きましょう nprogram.hatenablog.com
ヘッダ内では、極力他のヘッダをインクルードしないようにしましょう
- 2重インクルードや、循環参照(*1)を引き起こします。循環参照問題とは、ヘッダーファイルAがヘッダーファイルBをインクルードし、ヘッダーファイルBがヘッダーファイルAをインクルードする事。
- クラスの前方宣言を有効活用しましょう。ヘッダの余計なインクルードを減らすことができます。
普通の前方宣言(ClassAのメンバ変数としてClassBを持つ場合) class classB; class classA { public: classA(); ~classA(); private: classB *objB; };
- クラス名、メソッド名、変数名をしっかり考えよう
- 例えば、犬クラスは、犬という情報を表現するクラスになっていますか?犬クラスなのに、犬クラスの中にスマートフォンを操作するメソッドがあってはいけません。( ´∀` )
- コーディングスタイルが統一しましょう
- スペース
- 中かっこの位置
- for文(繰り返し文)の中に、繰り返すたびに呼び出す必要がないのに、呼び出している処理はありませんか。
- for文の外に処理を映しましょう
- constが使えるのに、constを使っていない変数、メソッド引数はありませんか。
- constが使える場合には、constを使いましょう
- コンストラクタ初期化子で、メンバ変数を初期化した後、メンバ変数を初期化しない場合は、メンバ変数をconst修飾可能です。
- ポインタ渡しと参照渡し、どちらでも実現できる場合は、参照渡しにしたほうが良いと思います
- 参照渡しは、実体がなければ実施できないため、呼び出し先のメソッドで、NULLポインタチェックが必要にならない
staticクラスなど、インスタンスを生成しないクラスは、コンストラクタに対して、delete宣言をして、コンストラクタの暗黙定義を明示的に禁止すべきである
例外を投げない場合はnoexceptで関数を宣言すること。noexceptを指定することは大きなメリットがあるが、もしnoexceptを指定した関数に修正を加えてnoexceptを指定しないように変更した場合はクライアントコードを壊す可能性がある。 noexceptは可能なら常に指定すべきだが、今後もnoexceptであり続けると考えられる関数に限るべき。
main関数のreturn文は、EXIT_SUCCESSを使うことが望ましい
return EXIT_SUCCESS;
- class宣言をfinal修飾子をつけると、そのクラスは継承不可となる
class BaseClass final { }; class DerivedClass: public BaseClass // compiler error: BaseClass is // marked as non-inheritable { };
- 例外を送出する可能性があるかないかのみを指定する。例外を送出する可能性がある関数にはnoexcept(false)を指定し、例外を送出する可能性がない関数にはnoexcept(true)もしくはnoexceptを指定する
// getValue()メンバ関数は、例外を送出しない int getValue() const noexcept { return value_; }
constexprは、「constant expression (定数式)」の略語である。この機能を使用することで、コンパイル時に値が決定する定数、コンパイル時に実行される関数、コンパイル時にリテラルとして振る舞うクラスを定義できる。
static constexpr int NUM=10;
条件演算子を含む式では、式ごとにカッコで括ること。⇒ 静的解析ツールで警告が出るため
[OK] if ( (0 < a) && (a < 10) ) { [NG] if ( 0 < a && a < 10) {
- 全てのクラスオブジェクトで使う定数の宣言するとき, それがリテラル型(int, double, charなど)であればconstのかわりにconstexprを使うこと。クラス定義の中で値を初期化可能。
class nyan { constexpr static int i = 1; constexpr static double d = 1.2; constexpr static char str[] = "nyan!"; };
- メンバ関数の右側にconstをつけると、そのメンバ関数内ではメンバ変数の変更ができなくなります。このメンバ関数をconstメンバ関数と呼ぶ。
class A { public: int m_Value; void Hoge( void ) const // ←このconstです { } };
- explicitを使用して、明示的に値渡しでコンストラクタを呼ばれないようにする
class A { public: A(int); }; class B { public: B(int); }; void f(const A&); void f(const B&); int main() { f(3); // エラー:どっちを呼ぶか決定できない return 0; }
C++ クラス設計に関するノート www.ogis-ri.co.jp